と言っても、FileMaker が売上予測を立てたり自動的に発注してくれるわけではなく、既に出来上がった機械学習モデルを使えるようになっただけです。
言い換えると、リンゴかオレンジを判断する様なAIを使えるようになっただけです。
AIにリンゴかオレンジかを教えるのはFileMaker プラットフォームでは出来ません。別のアプリ(Create ML)を使う必要があります。
FileMaker プラットフォームで機械学習モデルで使うまでの手順
Create ML.appで機械学習(時間がかかる)
機械学習で作ったモデルをオブジェクトフィールドへ保存
判定させたいデータを与える(図では犬の画像)
1.Create ML.appで機械学習(時間がかかる)
機械学習と言っても難しいプログラムをする必要はありません。犬かリンゴだと判定したい画像データを多量に用意して覚えさせます。枚数が多いほど良いらしいですが、判断させたい画像にもよると思います。上の図では茶色い犬ですが、白い犬の画像を用意しない場合は白い犬は犬と判断されないと思います。
Create ML.app はXcodeというmacOS専用の開発環境の中にあります。
詳細は下記にあります。
2.機械学習で作ったモデルをオブジェクトフィールドへ保存
犬かリンゴを判定する「SAMPLE.mlmodel」というファイルをオブジェクトフィールド(下図3ではCoreMLファイル)に保存しておきます。
手頃な機械学習モデルが欲しい場合はAppleのサイトで公開されています。
「MNIST」という1桁の手書きの数字を判定するモデルが軽くて解りやすいかと思いまし。
3.判定させたいデータを与える(図では犬の画像)
CoreMLファイルをスクリプトステップ「機械学習モデルを構成」で呼び出し、”DogApple”という名前で定義します。
次に、関数「ComputeModel」で”DogApple”を呼び出し、結果(JSON形式)を判定結果というフィールドに入れています。
その結果、下記のようなJSON形式のデータが返ってきます。
[
{
"classification" : "Dog",
"confidence" : 0.96367472410202
},
{
"classification" : "Apple",
"confidence" : 0.0180884078145027
}
]
confidenceというパラメータが1に近いほど、その学習結果に近いということになります。この例では、Dogが0.936...なので、犬の画像だったのでしょう。
まとめ
ざっくりとFileMaker プラットフォームにおける機械学習モデルの使用方法を解説しました。要は機械学習モデルを使うだけですので、この機能はどれだけ良い機械学習モデルを使うか?という点が重要になってきます。 今回テストで機械学習モデルを作成しましたが、非常に時間がかかる上に様々な環境で写真を用意しないと制度は上がらないので苦労しました。例えば全く同じリンゴでも蛍光灯の光や夕日、草の上にあるのか撮影スタジオにあるのかでも画像は変わってきます。状況を特定できれば精度は上がるかと思いますが、スーパーでリンゴの写真を撮って種類まで判定するモデルを作るとなるとかなり苦労するでしょう。
ただ、使えることには間違いないので、品質の良い機械学習モデルが提供されているならば、それを使うのは良いと思います。
FileMaker は機械学習してくれません
機械学習モデルが使えるのはmacOSとiOS,iPadOSのみです
良い機械学習モデルがこの機能のキモ
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