新たなバージョン19.3が公開されました。
ざっくり多くの人が関係ありそうな点についてコメントしていきます。
最後の「Data APIのライセンスの変更」が人によってはかなり影響が出るかと思います。
FileMaker Pro 19.3.1
Apple シリコンのサポート (macOS)
いいですね。ついにM1チップの恩恵が受けれるようになりました。
テスト結果↓を見て下さい。すごく・・・速いです。
Apple シリコンによる FileMaker プラットフォームのパフォーマンス向上
Web コンテンツに対する Microsoft Edge のサポート (Windows)
やっとIEの呪縛から逃れることが出来ました。
これからのアドオン機能に期待です。(今まで、IEという古いブラウザのエンジンだったので、機能に制限がありました。それが変わったということです)
ただ、これによっての既知の問題は気をつけなければなりません。ドラッグ・アンド・ドロップせずに、ファイル選択する必要がありますね。
Windows 版 Claris FileMaker Pro 19.3.1 における Microsoft Edge のサポートについて
Windows: オブジェクトフィールド(インタラクティブコンテンツ)にドラッグ & ドロップでファイルが追加されない
Preview: クイックスタートエクスペリエンスの強化 (macOS)
初心者向けの機能です。最初のハードルが下がるのがいいですね。FileMaker Cloudと組み合わせれば、kintoneやAirtableと同じ様に始めやすいサービスになるでしょう。
関数
関数:JSON 関数「パスがカッコ表記で表現されていればキー名にピリオドを含めることができるように
処理がめんどうだったのでこの改善は嬉しい。
関数:Get (インストールされた FM プラグインの JSON)
最長の関数名では?
インストールされたプラグインをJSON形式で返します。
関数:Get (システムプラットフォーム)
Ubuntu Linux 対応。8が返るように。
修正された問題
そんな問題があったのかというものもあります。色々修正されました。
慣れ過ぎて「そういえば表示がおかしかったな」と思ったのが下記。
macOS Big Sur:レイアウトモードで、インスペクタの角丸の半径のコントロールが正しく表示されない。
FileMaker Server 19.3
Apple シリコンのサポート (macOS)
こちらもM1対応。
Ubuntu Linux対応
CentOSが2021年を持って開発終了になってしまったので。
Admin Console の改善
ログがAdmin Console上で確認&ダウンロード出来るように。やっと削除された機能が戻ってきました。
その他細かい機能改善。
パフォーマンス&安定性が向上
色々向上したそうです。書いている以上のコメントは出来ず。
この辺は、毎回ある気がするのでなかなか体感が難しい。振り返ってみれば「そういや最初のWebDirectは遅かったな」と思い出したりするので、数年後に振りかえれば実感出来るはず。
設定支援インストール (macOS)
これは覚えておきましょう。
設定支援インストールで FileMaker Server をアップグレードする場合、登録ファイル (Assisted Install.txt) の Skip Dialogs が 1 に設定されているとインストールに失敗します。この問題に対処するには、Skip Dialogs を 0 に設定します。
その他
FileMaker Server バージョン比較
FileMaker Go 19.3.1
「いくつかの問題と互換性に関する問題を解決。」としか書かれていないので、なんともコメントし難い。
Data APIのライセンスの変更
あまり普段は見ないのですが、Data APIのライセンスが変更されています。
追加された文
Data API をクライアントライセンスの代替手段として使用することはできません。例として、10ユーザにサービスを提供する場合は10ユーザライセンスまたは同時接続ライセンスを購入する必要があります。
Data APIは1ユーザあたり年間24GBの転送量の制限があります。
FileMaker Server→クライアント方向のみ、クライアント→FileMaker Serverは転送量のカウント外。
例えば、工場の現場(10人)で受注状況を確認するのにiPadを1台置いてFileMaker GoでData APIを使って表示させていたとします。FileMaker Proを使うのは事務だけなので5ユーザ契約だったとすると、新たに10ユーザまたは5同時接続ライセンスを追加しなければなりません。
となると、わざわざData APIを使わずにFileMaker Goでそのまま表示する方が楽になります。これが工場の現場が100人だったとしても、同時接続ライセンスで済みますし、Data APIの使い所が難しくなりました。
iPadのFileMaker Goをタイムレコーダー代わりにして、Data API経由で社員番号とタイムスタンプを送る。というシステムがあったとすると、クライアント→FileMaker Serverは転送量のカウント外なのですが、この場合もクライアントライセンスの代替手段と判断されれば、社員数分のライセンスや同時接続を購入する必要が出てくるかもしれません。
IOT機器をData API経由で温度等を転送する場合は、クライアントライセンスの代替手段ではないかもしれませんが、その線引が難しい機器も出てくるでしょう。
どちらにせよ、転送容量に対して課金されるData APIの使い所が難しくなりました。
オーペンソースがたくさんできている時代に、FileMaker Pro 19.3.1の逆行的な行動に不思議で仕方ないと思います。もうファイルメーカーを手放すことにしようと考えています。